吉野秀著『9割の人が使っている 頭が悪い人のビジネスフレーズ58』発売!


まえがき

多くの人間に会っていると、「この人は賢い」「こいつは頭が悪い」という区別ができるようになる。第一印象もあるが、言葉の使い方がその判断材料になることを知っておきたい。年甲斐もなく、軽々しく流行の言葉を使って、若い人に媚【こ】びる。知ったかぶりで難解な言葉を発する。
企業人は、一期一会。一度、バカの烙印【らくいん】を押されると修復は難しい。ひいては、「あいつとは仕事をしない方がいい」と、はじかれてしまう危険性は相当高い。それは企業人にとっては致命傷だ。
逆に言えば、言葉を丁寧に選び、適材適所で使いこなせたとしたら、その人は「気配りもできるし、こういう人と仕事がしたい」と思わせることができる。こうなったら成功。その後のビジネスも円滑にいく。
「たった一言」と軽く見てはいけない。それが大きな違いとして、ビジネス・シーンをひいてはあなたのキャリアを創り上げるのだ。

第1章 横文字の多用は薄っぺらい

「エビデンス」

【和訳】
証拠、証言

【よくある状況】
「アイデアは良いが、ノー・エビデンスじゃなあ」。自分のところではリスクを取りたくない経営者が、体を斜めに傾けながら吐く「軽薄語」の1つだ。「ドキュメント」も同義語で、相手がほとんど負担してくれればやってやらないことはない殿様商売の常套句だ。

【解説】
EVIDENT(明白な)の名詞形。「エビアン」だか「エビドン」だか知らないが、「あなたは刑事か弁護士?」とからかいたくなる。こういうのは他人には契約書を作らせ、自分は口約束のインチキ野郎。軽くいなすに限る。

【上手な対処法】
相手にもリスクを負わせる目的で、強気で攻めるのが得策。「エビデンスを出さなければならないエビデンスからどうぞ」。海老で鯛を釣ろうとする不届き者が、思わずエビぞってしまう気迫と身振り手振りで。

「コア・コンピタンス」

【和訳】
企業競争力の中核を成す得意分野

【よくある状況】
企業の新卒面接に立ち合った時、「わが社のコア・コンピタンスは○○ですが、あなたのコア~は?」を繰り返す人事担当者がいた。言葉の知識を探ったのだろうが、これは明らかに行き過ぎ。お粗末な発言は、企業イメージの低下にもつながりかねない。

【解説】
「COMPETENCE」は本来、能力や適性を意味する名詞。ここから考えると、「あなたの長所は?」「何が自分に合っているか?」の解釈でも間違いではないだろう。しかし、人に当てはめるのは不適切と見る向きもある。

【上手な対処法】
「コンプライアンス」「ソリューション」と並んで、エリートを自認するビジネス人が多用する。「正確にお答えしたいので、今回の場合の和訳をご教示のほど」と、直球で質問して認識の溝を埋めよう。

「フレンドリー」

【和訳】
親しい関係、友好的な雰囲気

【よくある状況】
「ウチの会社は風通しが良くて、フレンドリーな文化が売り物」と話す広報担当者がいるが、私は文字通りに受け取っていない。緊張感があってこその職場だし、離職率の高さは何を物語るのだろうか。「フラット」「フレキシブル」を使うのも怪しい。

【解説】
元々は友人・知人間で用いたものだが、いつの間にかビジネス社会へも流れ込んでしまった。プロ意識を持っている人なら、「パートナーシップ」や「チームワーク」を使いたがると思う。仲良しこよしのミニ会社……。

【上手な対処法】
商談でも、「これからはフレンドリーな関係で」と言い放つ輩《やから》は多い。勘違いして、アフター5の誘いが増えてはたまらない。「『親しき仲にも礼儀あり』でじっくりいきましょう」と緩んだ風向きにくさびを打ち込む。

kindleで買う!
koboで買う!
そのほかの作品をチェック!

割引キャンペーンや新刊情報を知りたい方はこちらからメルマガ登録!


Switch to our mobile site